Music Maker

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メジャーへの道

メジャーへの道 上級編

第六回 フォルマント調整

皆さん、こんにちは。
カナです。

マキちゃんが「エラスティック・ピッチチューン」について色々説明してくれましたけど覚えてますか?

実はこの「エラスティック・ピッチチューン」には『フォルマント調整』という面白、・・・いえ、便利な機能がついています。

今回は、その『フォルマント調整』について説明したいと思います。

きっと面白機能です。・・・多分。


なんでも人の声には、音の高さ以外にも様々な要素が
含まれているそうです。
この要素で一番声質に影響があるのが『フォルマント』
だという噂です。

いえ、事実です。

人間の声は同じ人が高い声を出しても、低い声を
出しても、同じ声質を維持しています。

これは、みんなの内に秘めている『フォルマント』が
一定に保たれている為だといわれています。

一般的なピッチシフター・エフェクトでも音程を下げる事が
出来ますが、単純に音程を下げただけでは『フォルマント』まで
変わってしまうので、不自然に声質が変わってしまいます。

今回の『フォルマント調整』は、ドイツのテクノロジーで

「女性声を男性声に」
「男性声を女性声に」

それぞれ似せる事ができるという機能です。

細かい説明に入る前に「オリジナルの音声」をお聞き下さい。

【オリジナルの音声】

では次に、『フェルトマント調整』を施していない
「1オクターブ下げただけの音声」をお聞き下さい。

【フォルマント調整がないピッチシフターで1オクターブ下に下げた音声】

あ、面白ボイス・・・。

このままの音声でもカナは何かに使えるとは思うのですが、
今回は「女性声をより自然な男性声に変更」にする事が
狙いのようなので、もう少し頑張りたいと思います。

この『フォルマント』を保ったままピッチ変更が出来るので、
そのまま自動調整してみました。

【フォルマントを保ったまま1オクターブ下げた音声】

あ、折角の面白ボイスが・・・。

でも、なんかヘリウムガスを吸ったような感じになりました。
カナはこのままでもいいけど、「自然な男性声」になっていない
という事で、さらに頑張ってみます。
※「エラスティック・ピッチチューン」で使用出来るのはオーディオ素材のみになります。MIDI素材は性質上使用できませんのでご注意下さい。
ではさきほどの面白ボイスを手動でフォルマント調整してみます。
手動での調整は「エラスティック・ピッチ」右上の[アルゴリズム]項目に
ある「フォルマントツマミ」を使って調整することができます。
この「フォルマントツマミ」の設定は、ツマミにマウスカーソルを
合わせてドラッグしたまま動かすようです。
スクリーンショット
このツマミが中央にあると、元の『フォルマント』になります。
声質を変化させずに音程を変化させたい場合は常に中央に
設定したほうが良いです。

中央から「左に回す」と「太い声質(男性声)」、
「右に回す」と「細い声質(女性声)」になります。

さっきの例を思い出してください。
オリジナルのフォルマントを保ったままオクターブを下げると
声は低くなりました。
でも、声質はそのまま(フォルトマントを保ったまま)なので、
ただ女性の声が低くなっただけの面白ボイスで終わっています。
1オクターブ下げるだけでなく、『フォルマント』を左側に回して
男性の声に近づけてみます。

【1オクターブ下げて、フォルマントツマミを左に回したもの】
・・・!

なんということでしょう。

あんなにやる気を感じさせない女性のコーラスが、こんなに力強く、
しかもやる気を感じさせない男性のコーラスに変わりました。

このように『フォルマント』を有効的に使う事で同じ素材から
性別の異なるコーラスや、違う声質のコーラスなどを
作り出す事ができます。

この『フォルマント調整』を活用することで、コーラスに幅を
持たせる事ができそうです。

以上で今回の『フォルマント調整』の説明は終わりです。

お疲れさまでした。

第六回の「フォルマント調整」いかがでしたか?

今回の『フォルマント調整』を使えば面白ボイスが思いのままです。
実際にマキちゃんのボイスで試してみると面白いと思います。

では、さようなら。