VOICEVOX との連携

話者レイヤーには、VOICEVOX と連携し、コメントオブジェクトのテキスト内容から音声を生成する機能があります。 この機能を使うことで、コメントオブジェクトに VOICEVOX で生成した音声を簡単に設定できます。

VOICEVOX 連携の設定

VOICEVOX 連携機能では、VOICEVOXを起動しHTTP通信を行います。 VOICEVOXの起動方法や通信方法は、環境設定の[VOICEVOX連携設定]から設定できます。

VOICEVOX連携設定

設定 内容
起動モード 連携機能の利用開始時の外部アプリケーションの起動モードを設定します。サーバー起動GUI起動起動しないの3つのモードが選択できます。
インストールパス VOICEVOXのインストール先のパスを設定します。(起動しないモードでは利用されません)
エンジンパス VVPPファイルのエンジンのインストール先パスを設定します。VOICEVOXのマルチエンジン機能を利用したい場合に指定してください。デフォルトで%APPDATA%\voicevoxが設定されます。(起動しないモードでは利用されません)
実行ファイル名 起動モードをGUI起動した際に起動する実行ファイル名を指定します。ここで指定したインストールパス下のファイルが実行されます。(サーバー起動・起動しないモードでは利用されません)
引数 VOICEVOXやサーバー起動時に渡すコマンドライン引数です。(起動しないモードでは利用されません)
サーバーホスト HTTPの接続先のサーバーのホスト名です。(すべてのモードで有効です)
ポート番号 起動しないモードを指定した際のHTTPの接続先のポート番号です。(サーバー起動・UI起動モードでは利用されません)

サーバー起動GUI起動を指定した場合、Recotte Studioは、「インストールパス」と「エンジンパス」からengine_manifest.jsonファイルを検索し、VOICEVOX(および、その互換エンジン)の起動コマンド、接続先ポート番号を取得します。「ポート番号」による接続先ポートの変更は行えません。起動しないモードを指定した場合、Recotte Studioは「ポート番号」に指定したポートに接続します。起動しないモードでは、マルチエンジン機能は利用できません。

画面左下の[起動設定ウィザード]をクリックすると、連携の設定をサポートするウィザードが表示されます。 VOICEVOXをインストーラーを用いてインストールした場合は、自動的に起動パスを検索し、設定されます。 それ以外の場合は、起動先のプログラムの指定などを行ってください。

VOICEVOX 連携機能

VOICEVOX連携では、VOICEVOXを直接操作することなく、1ボタンで音声の生成からコメントオブジェクトへの設定が行なえます。

まず、話者レイヤーのプロパティから「音声連携」を「VOICEVOX」に設定してください。すると、VOICEVOX が起動します。

※ 音声連携利用中は、必ず VOICEVOX を起動したままにしてください。

次に、話者レイヤーのコンテキストメニューから[VOICEVOXで音声を作成]を選択してください。 はじめて作成する場合は、VOICEVOX で作成した音声ファイルの保存先フォルダーを指定するダイアログが表示されますので、保存先を設定してください。 この保存先は、コンテキストメニューの[音声フォルダーリンク]から変更できます。

音声保存先を設定すると、VOICEVOX を使って自動的に音声ファイルが作成され、先程指定したフォルダーに保存され、さらに、コメントオブジェクトへ音声が設定されます。

コメントの内容や後述するパラメータを編集した場合は、コンテキストメニューから[音声を同期]を選択してください。 更新されたコメントオブジェクトのみ、音声が再生成され更新されます。 また、レイヤー上に常に更新ボタンが表示されており、このボタンを押すだけでも音声の更新を行えます。

[VOICEVOXで音声を作成]と[音声を同期]の違い

コンテキストメニューの[VOICEVOXで音声を作成]と[音声を同期]には、動作に違いがあります。

音声の自動更新について

環境設定の「プレビュー開始時に未更新の音声を自動更新(β)」にチェックを入れると、プレビュー開始時に音声を自動で更新するようになります。 ただし、この機能はβ版のため、正常に動作しない場合や、将来仕様が大幅に変更される可能性があり、初期状態ではオフになっています。 自動更新を有効にしたい場合は、環境設定から設定を変更してください。

デフォルトリンク機能

VOICEVOXの連携は、自動的に音声が生成・保存されるため、一般的な利用においては、保存先のフォルダーを直接操作する機会がありません。また、レイヤー間(及び、プロジェクト間)でフォルダーを共用しても問題がありません。 そのため、フォルダーリンク先の設定時にプロジェクト用の音声保存先フォルダーを生成する機能(デフォルトリンク機能)が利用できます。 この機能により、プロジェクトごとに音声の保存先フォルダーを作成、指定する手間を省けます。

VOICEVOXの連携機能では、プロジェクトから音声ファイルを何度も再度生成できるため、デフォルトリンク先の音声ファイルを削除しても大きな問題は起きない設計となっています。

音声パラメータの設定

VOICEVOXの連携機能を設定した話者レイヤーでは、レイヤーリストの右側に、音声連携の設定ボタンが有効になります。

このボタンを押すと、そのレイヤーの選択中のコメントオブジェクトの音声パラメータを設定するダイアログが表示されます。 各種パラメータを編集したら、必ず音声を更新してください。

[レイヤー]タブ

レイヤーのパラメータを設定します。 「話者名」は、話者レイヤーの「話者名」プロパティを変更します。 この設定ダイアログでは、VOICEVOXに登録されているキャラクター名を選択できます。

その他のパラメータは、レイヤーのパラメータ設定となります。 これらの値は、対象レイヤーないのすべてのコメントに適用されます。レイヤー全体の調整を行いたいときにご利用ください。

[コメント]タブ

コメントのパラメータを設定します。 「スタイル」は、設定したキャラクターの読み上げスタイルを設定します。 スタイルは、コメントごとに設定可能です。

右上の▶ボタンをクリックすると、音声のプレビューを聞くことができます。

「疑問文の語尾の調整」にチェックを入れると、音声合成時に疑問文の語尾を自動で調整します。

選択しているコメントオブジェクトを変更すると、選択中のオブジェクトのパラメータが表示されます。 また、複数選択している場合は、先頭のオブジェクトのパラメータが表示されますが、値を編集すると、選択中すべてのオブジェクトのパラメータが変更されます(一括編集も行えます)。疑問文の語尾の調整も同様に複数のコメントオブジェクトを一括編集できます。

コメントタブ

[読み上げ]タブ

[読み上げ]タブでは、選択したコメントオブジェクトの詳細な読み上げの設定を行えます。このタブで編集できるのは、1つのコメントオブジェクトを選択したときのみです。

アクセント・イントネーション・長さを設定でき、左のアイコンでモードを切り換えられます。

アクセント設定

アクセント設定では、日本語の高低アクセントをアクセント区ごとに設定できます。 また、アクセント句の分割や結合を行えます。 各発音(モーラ)の間をクリックするとことで、アクセント句の分割や、前のアクセント句との結合を設定できます。

読み方を変更したい場合は、変更したい単語の読みの部分(カタカナ表記の部分)をクリックしてください。

イントネーション設定

イントネーション設定では、音ごとに発音のテンションを設定できます。上に行くほど、ピッチやテンションが上がります。 イントネーションは、アクセントやスタイルを変更するとデフォルト値に初期化されます。

長さ設定

長さ設定では、各発音(モーラ)ごとに音の発音の長さを設定できます。 子音のある発音では、子音と母音を個別に変更できます。

発音の長さは、アクセントやスタイルを変更するとデフォルト値に初期化されます。

サブメニュー

サブメニューから、すべての長さのコピー・貼り付けなどが行えます。 この機能を利用することで、他の同じ内容のコメントからすべての長さをコピーし、同じタイミングでの発音が行えます。 あいさつなど、複数のキャラクターを全く同じタイミングでしゃべらせたい場合にご利用ください。

メニュー 動作
すべての長さをコピー すべての長さをクリップボードにコピーします
すべての長さを貼り付け 他の発話の長さをペーストします。コピーもとのコメントと音素の数が一致している必要があります。

VOICEPEAKのコメントから長さを貼り付けることもできます。 ただし、発声開始のタイミングが異なることがありますので、オブジェクトの位置などで調整してください。